これから夏本番。みなさんは蚊やハエ、ゴキブリなどの害虫に対してどのように対策していますか?
それらの昆虫は、「害虫」というくらいですから、”人間にとって害をもたらす存在”として認識されています。
しかし、彼らも地球上の生物として大きな役割を持っていることを忘れてはいけません。
例えば、昆虫は食物連鎖の中で重要な役割を果たしています。
草食昆虫は草を食べ、肉食昆虫は草食昆虫を食べることで、生態系が成り立っています。
そのような環境の中で人間が昆虫を無差別に殺してしまうと、その生態系が崩れてしまい、環境に大きな影響を与えることになります。
また、昆虫は土壌の健全性を保つ役割を持っています。
土壌中には、微生物や昆虫が豊富に生息していて、これらの生物が土壌を分解し、有機物を分解して栄養分を生み出しています。
しかし、昆虫を殺してしまうと、これらの生物の生息数も減ってしまい、土壌の健全性が損なわれることになるのです。
これらを考えると、虫を「退治」するのではなく、「寄せ付けない」対策を実施することが、虫と人間の両者にとって有益と言えます。
「忌避対策」で虫を殺さず、快適に過ごす方法
みなさんは「忌避」という言葉をご存じでしょうか。
虫への「忌避対策」は、虫を退治することに重きを置く殺虫とは異なり、「虫が嫌がる環境を作ることで寄せ付けない」ことを目的とした対策です。
このような忌避対策として、スパイスやハーブは虫除け対策に非常に有効な方法です。
スパイスやハーブには、虫が嫌がる成分や香りが多く含まれており、古くから虫除けとして重宝されてきました。
スパイスやハーブの成分や香りを利用して虫を寄せ付けない環境を作ることで、虫を殺さずに、人間に近寄ることを防ぐことができて、まさに一石二鳥と言えます。
スパイスやハーブを使った虫よけ製品は多くありますが、わざわざそのような製品を買わずとも料理で使った余ったスパイスやハーブをそのまま利用すれば、コストも抑えられます。
そこで今回は、忌避対策の一つとして人間の食にも馴染みのあるスパイスやハーブを3つ紹介します。
【忌避効果あり】食用にもおすすめなスパイス・ハーブ3選
クローブ
カレーや焼きりんごに合うスパイスとして有名なクローブは、生薬としても知られており、体の内部の冷えからくる不調に対する処方に使われています。
クローブは胃腸を温める効果があり、冷えによる腹痛や、消化不良、しゃっくりなどに対する漢方処方に用いられます。
冬向きの食材ですが、夏は余ったクローブを防虫対策に使うことができます!
クローブに含まれている「オイゲノール」という成分は、強い殺菌・鎮静作用があり、人間の歯痛の局部麻酔薬としても利用されていますが、害虫にとっては有毒で高い忌避効果を発揮します。
蚊やハエだけでなく、ゴキブリやネズミなどにも効果がありますが、一方で犬や猫にとっても有害になるのでペットを飼っている方は使用しないでください。
シナモン
チャイやインドカレーはもちろんのこと、洋菓子など世界中で広く使用されているシナモン。
その甘く独特な香りが好きな方も多いのではないでしょうか。
馴染みが深いシナモンも、実は虫除けとして非常に効果的なんです!
シナモンには、クローブと同様、昆虫忌避効果のあるオイゲノールが含まれているだけでなく、その他にも忌避成分がふんだんに含まれています。
そのため、シナモンは蚊やハエ、ゴキブリだけでなくアリやダンゴムシなどあらゆる昆虫に対して非常に強い忌避効果があります。
料理で余ったものがあれば、置いておくだけで虫の姿を見る機会がぐんと減りますよ。
ただし、シナモンもペットに対しても有毒なので注意が必要です。
ペパーミント
ペパーミントは爽やかな香りと清涼感が特徴的なハーブの一種です。
ペパーミントに含まれているメントールという成分は、喉の痛みや咳を鎮めたり、吐き気を軽減する効果があるため、喉の痛みや風邪の症状などに用いられることがあります。
人間にとって快適な成分である一方、昆虫に対しては強い忌避効果があります。
市販の殺虫剤にも含まれているため、既にその防虫効果についてはご存じの方も多いと思います。
メントールで清涼感を感じながら、蚊などの害虫を寄せ付けない効果があるので、夏場の虫対策にはぴったりだと言えます。
屋外では意味がない?忌避効果の高い最強グッズとは
ここまで忌避効果が高く食材としてもなじみ深いスパイスやハーブを3つ紹介しました。
しかし、これらを害虫が侵入してくる経路・場所に「置きっぱなし」にすることは簡単ですが、アウトドア用にそのまま持ち運ぶことは現実的ではありません。
スパイスやハーブによる忌避効果は、どちらかというと屋内向けの防虫対策だと言えます。
では、屋外で「虫を殺さず、寄せ付けない」方法はないのでしょうか?
実はそれにピッタリな虫よけグッズがあるんです。
その名も、「おにやんま君」。
「おにやんま君」はトンボの一種であるオニヤンマの模型で、殺虫剤はもちろん、忌避剤すら使用していない虫よけグッズです。
蚊・アブ・ブヨ・ハチをはじめとした多くの害虫は、最強の肉食昆虫と呼ばれているオニヤンマの姿があるだけで近寄ってこないという習性があります。
「おにやんま君」はそのような習性を利用して、他の害虫を視覚的に寄せ付けない効果を狙って作られています。
そのため、「おにやんま君」を洋服や帽子につけるだけで、高い虫よけ効果があります。
いかがでしたか?
虫を「退治」するのではなく、「寄せ付けない」対策として、余ったスパイスやハーブを有効活用しつつ、夏本番のアウトドアではぜひおにやんま君を使ってみるなど使い分けをするのがおすすめです。